白百合の人生漂流記

徒然に百合や法律学(法解釈学)の勉強、個人的な興味関心事項について備忘録的に語ります。

文系大学進学について

皆様、ごきげんよう

 

本日は、主に中高生の方々に向けて、文系における大学という場について少し、お話しさせていただこうかなと思います。

 

私自身、実は当初第一志望であった大学に行ってはおりません。私は、京都大学の法学部に後期入試で合格して入学しております。それに、受験したときは、前期試験は十全に実力を出せなかったので、後期で自身の能力を図りたいという目的だけで、後期試験を受験したのです。加えて、私はもとより法律がやりたいと思っていたのですが、慶應義塾大学の法学部法律学科、早稲田大学法学部、中央大学法学部はすでに押さえていたので、進路の心配がなかったのです。後期試験を受験した当初は、受かっても京都大学は蹴ろうかしら。とさえ思っていたのです。紆余曲折や様々なトラブルがあって、最終的には京都大学法学部に入学することになったのですが、今となっては一切後悔はしておりませんし、むしろこの選択は正しかったとさえ思っております。そのことについて少しお話ししたいと思います。

 

大学選択に際しては、基本的には自分が何をしたいのかということにフォーカスを当てて、学部選択、大学選択をすればいいのではないかなと思います。ただ、ここに関しては実はそれほどこだわる必要がないのかもしれません。真にその分野に興味があるのであり、研究までしたいと思っているのでしたら、大学院進学の際にそのことを考慮すれば足りるのではないかなと思うからです。ただ、大まかに興味関心のある分野を取り扱う学部へはいかないと、入学後苦痛に感じることがあるかもしれません。

 

 

それ以上に大きく影響をしてくるのが学生の質だと思います。果たして、これが大学の偏差値と一定程度の相関または因果があるのか、あるいは、大学の風土というものを観念するのであれば、それ固有の問題であるのかは分かりかねますが、学生の質というものは大学生活において非常に重要であると私は思います。理由は大きいものとして、2点あげたいと思います。

 

1つめは、多様な分野で議論ができるか。ということです。私は、現に環境に恵まれており、今所属しているサークルでは、いろいろな事について毎日楽しく議論ができる環境にあります。サークル員はそれぞれ、詳しい分野がありますし、皆どの分野についても一定程度教養を持っているので、議論が成立するのです。例えば、比較政治学の話から経済学や法解釈学、果てには思想史や文学など、幅広い分野の話を日常の出来事やニュースと結びけて話し合うことができるのです。このような機会を持てるということは、単純に自分のモチベーションの向上につながりますし、楽しいです。また、特に法曹を目指すにあたっては、座学で学んだことをアウトプットする場として、仲間と議論するということが非常に大事ですので、優秀な人間が周りにいるということは、非常に重要になります。そうでなくても、議論を交わすことで物事に対する理解が深まり、または理解の不十分な部分が明らかになることが多々あるので、非常に大事です。

 

2つめは、1つめとやや重複する部分はあるのですが、良書についての知識を共有してもらえるということです。私たちの時間は有限です。しかし、世の中には良書という本もあれば、ある分野については決してよく記述しているとは言えないような本も多く存在しています。そのような本を読んだところで、効率は非常に悪いですし、得られる学びの質も落ちます。しかし、優秀な仲間がいれば、「ある分野のトップランナーはこの人で、この本は絶対に読まなければならない。」でしたり、「この本はこの分野の記述において最も良くできている。」など、良書に関しての知識を共有してもらえます。これが、教養の増進という点では非常に効いてくるわけです。

 

以上2点は実のところ、学生にかなり高い水準を求めているように思われます。したがって、このような仲間達と出会うためにも、なるべく「良い」(偏差値と一定程度の相関はあると思いはします。ただ、旧帝大+一橋と早慶の間には大きな隔たりがあるようには感じます。)大学に行くというのは大事だと思われます。

 

最後に私の大学の宣伝に近いことをしたいと思います。

冒頭で、私は京大に来てよかったと言ったと思いますが、その事について少しだけ。

理由は大きく2つありますが、そのうちの1つだけこの場で述べようかなと思います。

やはり、京大に来てよかったと思うのはその空気感です。最近はタテカンの規制でしたりと締め付けが厳しくなった側面はありますが、基本的には京大は他の大学に比べて自由な気風が強いと思います。講義において、何か課題を課されることはほとんどないですし(一般教養科目を除く)、そもそも講義に出ることさえ要求されないことが多いです。(一般教養科目を除く)(法学部のある教授曰く、自身で参考文献を読むなりして、最終的な到達地点に到達してもらえれば、その過程はどうであっても良い。)基本的には自学自習なんですね。さらに言えば、私も驚いたのですが、京大は学内での飲酒に対する規定がありません。もちろん、飲みすぎて暴れたりすれば、別の意味で引っかかりはしますが、飲酒自体を規制する規定が(私の知る限りでは)存在しません。それくらいには、やはり、自由な気風が存在しているんだと思います。これが非常に心地が良いんですね。

 

さて、いずれにせよ、中高生の皆様にとっては、受験とは一つの大きなイベントです。結末がどうなるのかは最後までわかりません。私のように最初は行く気のなかった大学に行く事になるかもしれませんし、逆に第一志望にいけるかもしれません。ただ、私から申し上げたいのは、受験の結果どうこうで人生が決定されるわけではなく、むしろ大学に入って以降で大きく変わりうるという事です。大学以降で化ける人もいる一方で、大学で腐る人間も多くいます。「良い」大学に行けば、上述したような環境には恵まれる可能性が高いですが、利用しようと思わなければ、猫に小判にすぎないでしょう。逆に言えば、第一志望に行けずとも、大学以降でうまくやろうと思えば、いくらでも成長する機会はあるという事です。皆様のご健闘をお祈りしております。

 

それでは、皆様、失礼します。