白百合の人生漂流記

徒然に百合や法律学(法解釈学)の勉強、個人的な興味関心事項について備忘録的に語ります。

会社法-取締役2

取締役会制度

3人以上で構成される取締役会が置かれる場合、代表取締役は取締役会が選任する。そしてその執行の執行を監督する。(362)

 

代表取締役→代表権を与えられた取締役

 

代表取締役以外の業務執行取締役→副社長や専務取締役など。体内的な業務執行権限を持つ。個々の業務について、代表取締役から授権され、代理するというのが普通の形。

 

監査等委員会設置会社→取締役からなる監査等委員会がおかれる。そして、社外取締役が職務執行をする。

 

指名委員会等設置会社→取締役会の権限は基本事項の決定、委員会メンバーの選定・監督、執行役の選任・監督に限られる。業務執行は執行役。

 

取締役会設置会社→各取締役が業務執行する。

 

監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社以外の取締役会設置会社における取締役会

362条に権限が明記

 

取締役会と代表取締役の権限の関係について

多数説:取締役会がすべての権限を持ち、代表取締役は取締役会から委任された範囲内で業務執行権限がある。

大隅説:代表取締役には定款・法令・取締役会会議で留保されない限り、業務執行権限が存在する。

 

取締役会の監督権限→362

監査役→法令・定款違反していないか監督する。(適法性監査)

取締役会→法令・定款違反に加えて、経営上の効率についても監督する。(妥当性監査)

 

取締役会の招集(366)

株主総会の招集との違い

1.期日

株主総会は二週間前(299)。取締役会は1週間前(368)

2.招集通知の相手方

株主総会は株主だけ。取締役会は監査役と取締役へ

3.招集通知がとどなかった場合

株主総会→126通常到達したと思われるときに到達したものとみなす

取締役会→到達主義

4.招集通知の方法・議題の記載方法

株主総会→招集の方法は書面+議題を記載する必要がある。

取締役会→書面でなくてもいい。議題の記載もいらない。当日、急に議題を取り出すのもok

 

取締役会の決議→369

代理行使は認められない。=その取締役を信任しているため。

 

特別の利害関係を有する取締役

→事前に排除される(369)

誰が特別利害関係を有するか。

356条1項1号や2号・3号の場合は特別利害関係になるのは意義なし。

譲渡制限株式の譲渡承認について、取締役が譲渡の当事者である場合も特別利害関係になるのは異議なし。

代表取締役の選任において候補者が議決権を行使するのは問題ない→業務執行の決定に関わる事項であるため。

 

代表取締役解任決議において、当事者が決議権を行使できるか。

判例・通説=無理

自らの利益を追求するなって言っても難しい。

反対説:取締役間の対立。会社と取締役の間に対立はない。ゆえに、特別利害関係はない。

業務執行権をめぐる争いのケースと、不適切な代表取締役をやめさせるケースとを分類する見解もあるが、事実上分類は難しいので、現実的ではない。

 

特別利害関係人は定足数からも除外

出席して意見陳述する権利もない。

 

取締役会の決議の瑕疵

明文上の規定がないため解釈に委ねられる。

いつでも、誰でも、いかなる方法によっても主張することができる。

瑕疵の程度が弱い場合は、取締役会決議を有効とみていい。

 

一部の取締役に対する通知漏れがある場合

判例:その取締役が出席しても結果に変わりがない特段の事情がない場合は、決議は有効であるとする。

学説:各取締役の個性を重要視して、意見を述べることが重要である。したがって、決議は無効と捉える。

 

また、特別利害関係を持つ取締役が参加してなされた決議に関して有効か無効化についても同様の議論がある

有効→いなくても結果に変わりがないなら有効

無効→いるだけでimpを持ちうる。e.g.)睨みをきかせるなど

 

効果:必要な取締役会決議無しで行為をしてしまったのと同様に処理する。