白百合の人生漂流記

徒然に百合や法律学(法解釈学)の勉強、個人的な興味関心事項について備忘録的に語ります。

2019-01-01から1年間の記事一覧

ウイスキーの紹介

皆様ごきげんよう。 夏も近づきましたが、いかがお過ごしでしょうか。 私は、試験勉強に忙殺されております。 試験勉強の息抜きに、この記事を書いております。 さて、皆様はウイスキーはお飲みになられるでしょうか。 度数が強くて普段は全く飲まない、種類…

会社法-取締役4

取締役の義務 善管注意義務(330)と忠実の義務(355)について 多数説:違いはない。 異質説:善管注意義務=会社の業務執行に当たって尽くすべき義務 忠実義務=利益衝突がある場合に、個人の利益を忠実してはいけないという義務 忠実義務違反をしたら、無過失…

会社法-取締役3

代表取締役について 選任と終任 取締役会決議によって選任される。 取締役会で決定できるのは代表取締役の選任と終任だけ。 終任させられても、取締役自体ではある。 取締役をやめさせられると、当然に代表取締役でなくなる。これは、株主総会決議によってな…

会社法-取締役2

取締役会制度 3人以上で構成される取締役会が置かれる場合、代表取締役は取締役会が選任する。そしてその執行の執行を監督する。(362) 代表取締役→代表権を与えられた取締役 代表取締役以外の業務執行取締役→副社長や専務取締役など。体内的な業務執行権限を…

会社法-株主総会3,取締役1

反対株主の株式買取請求制度 一定の基礎的変更に関する議決がなされた際に、それに反対する株主は自己の所有する株式につき会社に買取を請求することができる。(469) 株主総会決議の瑕疵について 規定上3つの規定が置かれている。 1.決議の取消し 2.決議の無…

会社法-株主総会2

1株1議決権の例外 ・単元株制度 ・議決権制限株式(108,115) ・自己株式 ・相互保有株式 ・特別利害関係を持つ者の株式 ・基準日後の株式 議決権の代理行使について 310→代理人によって行使できる。 定款で代理人を株主に制限することが通例。 これは可能か。…

会社法ー株主総会1

株主総会の開催時期 296条により定期株主総会を開催しなければならない。 事業年度終了後3ヶ月以内の開催が求められる。 事業年度は、1年を超えることができないが、定款によって半年や3ヶ月などとすることは可能。 議決権を有する株主の数が1000人以上の場…

会社法ー株主の地位と権利・会社の機関総論

株主平等の原則→一株あたりの価値を均等にするもの。 すなわち有する株式の数に応じて等しい扱いを受ける。(109) 株主優待制度→株主平等原則に反して無効説 一定量の株式を分母として各株券に分量単位分の権利が付与されているとみて有効とする説 そもそも、…

会社法ー法人性・資本金

法人格否定の法理 形骸事例/濫用事例 法人格を濫用したと見られる場合又は、形骸化していると見られる事例で、法人格を否定し、会社とその背後にいる社員を同一視する法理 形骸化の基準としては以下のものが挙げられる。 1.株主総会の不開催・株券の違法な不…

民事訴訟法-当事者に関する能力

・当事者能力とは 訴訟要件の一つ。=当事者能力を有しないということは本案判決の名宛人となることができないことであるから。従って、当事者能力を持たない者を当事者とする訴えについては、訴えは不適法として却下される。 ・訴訟能力 単独で有効に訴訟行…

会社法-会社の種類・株式会社の基本構造

・合名会社・合資会社・合同会社 合名会社→社員が会社債権者に対して無限責任を負う。 合資会社→有限責任の社員と無限責任の社員が存在する。有限責任の社員の責任の限度については定款に記載される。 合同会社→社員が有限責任である。会社設立時までに社員…

民事訴訟法-処分権主義、訴え、訴訟上の請求

・処分権主義 訴訟の開始、審判の対象・範囲、判決によらない訴訟の終了に関する決定を当事者に委ねる考え方。 →私的自治からの要請 訴えなければ裁判なし=不告不理の原則 訴訟要件を満たさないときは本件判決をせずに訴訟判決(訴え却下判決)を出せる。 …

債権総論-債権者代位権2

・被代位権利 一身専属的権利は代位できない。 =行使上の一身専属権・身分専属権 財産権的な性質を有する身分上の権利については対立あり。 e.g.)相続人の権利を相続人債権者が行使できるか。 通説=negative、身分行為意思を尊重すべき。 批判:無資力の者…

債権総論-債権者代位権1

債権者代位権 1.責任財産保全型→債務者が行使すべき権利を行使しないことによって、責任財産の増加が妨げられている場合での債権者代位権 2.個別権利実現準備型→特定の再建を実現する準備のための債権者代位権 債権者代位の目的 ・強制執行の準備機能 ・簡易…

債権総論-損害賠償請求権(特別の規定)

金銭債務について →419条に特別の規定を置く 利息損害→419条1項に定めがある。 拡大損害の請求の可否について(e.g.)債権取立費用、債務者に対する訴えの提起に要した費用、弁護士費用、弁済がなかったために債権者が第三者との取引において被った営業上の損…

債権総論-損害賠償請求権(損害賠償額算定の基準時)

判例→1個の時点に限定していない。 履行不能時を基準時とするもの→履行不能により、本来的履行請求権が補填賠償請求権に転化したものと見る 解除時→不能となった後に買主が系やいうを解除した場合。=解除時を基準に算定したもの 履行期 予備的代償請求→事実…

債権総論-損害賠償請求権(損害賠償額算定の基準時)

判例→1個の時点に限定していない。 履行不能時を基準時とするもの→履行不能により、本来的履行請求権が補填賠償請求権に転化したものと見る 解除時→不能となった後に買主が系やいうを解除した場合。=解除時を基準に算定したもの 履行期 予備的代償請求→事実…

債権総論ー損害賠償請求権(各論)

履行遅滞中の不能と補填賠償 →「債務者の責めに帰すべき事由」の犠牲 履行遅滞中の不能は債務者の責めに帰すべき事由によるものとみなす。(413条の2第一項) 補填賠償→債務者の責めに帰す事由が犠牲されるので、履行に代わる損害賠償を請求可能(415条1項・…

債権総論-損害賠償請求権(補填賠償)

補填賠償=債務の本旨に従った履行がされたならば債権者が得たであろう利益を金銭で補填することを目的とした損害賠償 履行にかわる損害賠償請求をすることができる場合(415条2項) ・履行不能のとき ・債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき(なお、…

債権総論-損害賠償請求権(遅延賠償)

遅延賠償→債務不履行でも本来の債務がなお、履行可能なときに請求可能。 遅延賠償の提供が債務の本旨に従った履行に組み込まれる。 遅延賠償=損害賠償の一部→一般的な要件面は共通(後述する要件がさらに要求される。) 412条→遅滞の責任を負う。=要件の要…

民事訴訟法-民事訴訟の意義

・民事訴訟の目的論について 実務レベルでは目的論について争うことに実益はない。 自力救済禁止の代償(権利保護説) 私法秩序の維持(私法維持説) 紛争の解決(紛争解決説) →これらは民事訴訟の目的が立法や解釈の指針になると主張している。 多元説・目…

債権総論-損害賠償請求権(効果論)

1.損害の定義についての対立 ・差額説(実務における通説) 損害=「加害行為がなかったとしたら被害者が置かれたであろう利益状態と、加害行為がされたために被害者が置かれている利益状態の『差』を『金額』で表現したもの』 + 個別損害項目積上げ方式に…

債権総論-損害賠償請求権(要件論)

損害賠償請求権の要件 ⑴債権の発生原因 ⑵債務の不履行 ⑶損害の発生 (⑷債務不履行と損害との間の因果関係) 立証事実のズレの問題 作為義務の履行遅滞を理由とする損害賠償請求のケース。 要件効果論→債権の発生原因、債務の不履行、履行期の経過、(損害の…

債権総論-履行請求権

1.履行請求権の構成 権利利益説、権利意思説 →請求権か債務不履行か。 履行請求権の優位性 2.履行期 抗弁or主張 3.履行不能 原始的不能と後発的不能 412条の2第一項の意味内容 →・物理的に不能 ・法律的に不能 ・利益とコストの不均衡 ・契約の趣旨から不適…

債権総論-債務不履行総論-

契約の効果にどこまで読み込むか。 ・履行請求権、損賠請求権、解除権(契約による) ・履行請求権、不履行の効果としての損賠請求権、解除権(法による) ・不履行の効果として読む。 債務不履行一元論→415条、債務の本旨に従った履行をしない。

債権総論-債権の種類1-

債権の目的の節に掲げられた債権について 1.特定物債権 占有移転が目的 特定物と代替物の違い 引渡義務の存在→契約に適合したものを引き渡す義務 保存義務の存在→善管注意義務(400条)(契約or当該発生原因による) 保存義務違反→契約解除or損賠 立証の容易性…

文系大学進学について

皆様、ごきげんよう。 本日は、主に中高生の方々に向けて、文系における大学という場について少し、お話しさせていただこうかなと思います。 私自身、実は当初第一志望であった大学に行ってはおりません。私は、京都大学の法学部に後期入試で合格して入学し…

感傷マゾにおける悲劇性

皆様、ごきげんよう。 先日、「感傷マゾあるいは精神的リスカについて」という記事を書かせて頂きました。 shiroyuri.hatenablog.com 私自身、書いた記事を反芻するうちに、そして皆様のツイートを拝読させていただいているうちに、「感傷マゾあるいは精神的…

債権総論-債権と債務-

皆様、ごきげんよう。 私の法律学の勉強の一環として、債権総論について勉強のメモと言いますか、思考を再構築するために必要な断片をここに記していこうと思います。従って、あくまでも点と点だけを記して行くつもりです。 既習者の方が、自身の理解の再確…

感傷マゾあるいは精神的リスカについて

皆様、ごきげんよう。 皆様は、感傷マゾという言葉を聞いたことがありますでしょうか。 感傷マゾがどういうものなのかというのは、以下のリンクの説明文を読んで頂くのが一番わかりやすいと思いますので、リンクを載せます。 booth.pm ここでは、私にとって…