債権総論-損害賠償請求権(要件論)
損害賠償請求権の要件
⑴債権の発生原因
⑵債務の不履行
⑶損害の発生
(⑷債務不履行と損害との間の因果関係)
立証事実のズレの問題
作為義務の履行遅滞を理由とする損害賠償請求のケース。
要件効果論→債権の発生原因、債務の不履行、履行期の経過、(損害の発生+因果関係)を債権者が立証。履行期に履行がなかったことについての立証は債務者
民法学説→履行期に履行がなかったことまで立証責任は債権者側
損賠責任の根拠=契約の拘束力
→免責事由という考え(415条1項)
=契約その他の債務の発生原因および取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由
手段債務と結果債務における免責事由の捉え方の違い
結果債務=結果実現保証がある。
→債務不履行責任とは別に免責事由を観念する余地がある
手段債務=結果実現保証がない
→契約に照らして債務者に期待可能な合理的注意を尽くした行為をしないことが債務不履行に。
すなわち、免責事由を考慮する余地がない。(=債務不履行の枠に吸収される。)
履行補助者と免責事由
履行補助者の要件
・債務者がその意思により債務履行のために配置したものであること
・支配従属関係は必要とされない。
・契約を締結した事業者かどうかは問題とならない。問題となるのは、当該事業者が債務の履行過程の中に組み込まれているかどうか。
履行補助者の行為の評価
結果債務→免責事由の枠の中で考慮
手段債務→債務不履行の枠の中で考慮
→第三者の行為によって債務者が損害賠償責任を負う場合と、債務者の選任、指揮、監督において合理的な注意を尽くさなかったことによって損害賠償責任を負う場合の二つがある。
第三者の使用がそもそも許されていたか。